マレーシアの平均年収｜世界競走ランキング“東南アジア2位”の国の給与事情とは？ (2024)

スイスのビジネススクールであるIMD（国際経営開発研究所）が発表した2022年版の世界競争力ランキングでは東南アジア2位を記録し、経済成長が著しいマレーシア。近年では、物価も上昇傾向にあります。日本人も多く移住するマレーシアでは、はたして社会人は月にいくら平均で貰っているのでしょうか。
今回は、マレーシアの平均年収、新卒者の初任給、そして業界ごとの給与事情について詳しく見ていきましょう。

【マレーシアの平均年収と平均月収】

※マレーシア通貨：RM（リンギット）※1RM：約30円（2023年5月時点でのレートで換算）

「Salary Explorer」によるとマレーシアの平均年収は、RM79,000（約238万円）で、現在の日本の平均年収が443万円なのでおおよそ半分ほどの年収です。
平均月収は、約RM6,590（約20万円）で日本の初任給に近い金額です。ただし、業種によって金額は上下いたします。
同社が公表した給与レポートでは、下記3点の特徴が報告されています。

・2〜5年の職場経験を持つ従業員は、若い従業員や経験の浅い従業員に比べて32％高い収入を得ている
・5年以上の経験を持つ専門家は、経験の浅い従業員に比べ36％高い給与を得ている
・経験の浅い従業員に比べて、10 年以上勤務する従業員の給与は21% 高く、15 年以上勤務する従業員の給与は14% 高くなる傾向がある

一見序列のように見えますが、マレーシアではどれだけ経験をし、技術や知識など豊富な経験にポイントを置いているため、能力がある人に対して相当の給与が支払われています。
マレーシア物価に関しては、日本の半分以下と言われています。水道光熱費も日本に比べとても安く、日本の夏場のような利用の仕方をした場合でも、水道はRM10以下（約300円）、電気代はRM120（約3,600円）とこちらも半分以下の金額です。ただし、マレーシアは車社会のためマレーシア国産車以外の車に対しては関税の影響で高めの価格となっています。
給与面は農村部の方が都市部に比べ安い傾向にありますが、それと並行して物価も安くなるため、生活にかかる金銭感は、そこまでの大差はありません。

【新卒の初任給】

マレーシアの大卒初任給の平均は、RM2,500〜RM4,000（約6.2万円〜約12万円）と言われています。この差は、業種によって金額差が出ているためです。
比較的に初任給が高めなのが、IT業界、製造業界、など世界的にも力を入れている業界です。また、理系の学部を卒業し専門的な知識を兼ね備えた新卒は、そのほかの新卒に比べて高い初任給を得ていることがわかりました。

【業界ごとの給与事情】

※参考：PAYLAB（Salaries on positions in Malaysia）

上記の一覧を見ると金融系、IT系の業界の平均給与が比較的高いことがわかります。マレーシアでは、近年IT関連の人材確保に力を入れており、昨年からは新たにデジタルノマドVISAの発行が開始されました。このVISAは、海外でIT分野もしくはデジタルマーケティング、デジタルクリエイティブコンテンツ、デジタルコンテンツ開発に関わる人材に対して、マレーシア国内で最大2年間滞在してもいいというものです。それだけ、マレーシアではIT人材を重宝し、さらに需要のある人気職ということもあり高い給与を得られています。

【まとめ】

マレーシアの平均給与は日本の給与に比べて半分以下と、数字的には低い給与ですが、実際は経済成長も著しく、また物価も上昇しつつある東南アジアの経済国です。そして、他国同様にIT業界の需要が高く、いまや国を挙げて人材確保に動いています。今後の成長も眼が離せないです。

また、この記事をご覧になって頂いた方の中には、マレーシアの人材を採用するために、平均年収を調査していた方もいらっしゃるのではないでしょうか？
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（脚注）
・（参考）PAYLAB Salaries on positions in Malaysia
・（参考）Time Doctor What is the average salary in Malaysia?
・（参考）Salary Explorer Average Salary in Malaysia 2023